固形物を食べず水分だけを摂取して、普段働き続けている胃腸を休ませる行為を断食と言います。そして平均1～3日程度の短期間で行う断食を「プチ断食（ファスティング）」と言います。
その本質は、胃腸を休ませることで腸の中にある老廃物を排出し、血流をよくすることです。そのデトックス効果により、免疫力の向上や便秘改善、ダイエットなどに役立つのです。長期間の断食は、ハードルが高い上に危険が伴う可能性があります。プチ断食であれば週末を利用して行えるので、無理なく実践できる健康法となるでしょう。

プチ断食中は、摂取カロリーがほとんどない状態となります。したがって、身体は自分の体内にある体脂肪を燃やして活動することとなるのです。その結果、脂肪を多く燃焼し体脂肪や体重の減少へとつながります。

プチ断食することにより、腸内に溜っていた老廃物が排出され、血液もサラサラになります。血流がよくなることで、新陳代謝が上がりお肌のくすみも取れていきます。

人間は、食べ物を消化するのに7～8時間かかると言われています。1日3食食べると胃腸は休みなく働くこととなり、その結果疲れて働きが低下してしまうのです。プチ断食により胃腸を休ませ、本来の働きを取り戻すことで便秘の改善が期待できます。

プチ断食中の水分補給は、忘れてはならない重要なポイントとなります。
普段の食事の中には、汁物などの水分が含まれています。プチ断食中はそういった食事を摂らないため、水分不足に陥りやすいのです。水分が不足すると脱水症状になり、身体にとってかなりの負担をかけることになります。喉が渇いたと感じた時には、すでに脱水に陥っている可能性があります。プチ断食中は喉が渇いていなくても、こまめに水分を摂るようにしましょう。
また、汗や尿によって水分とともに塩分や糖分も排出されます。めまいなどが起こってしまう前に、塩飴や梅干しなどを一つ口に入れておくと、塩分や糖分の補給につながります。もしも、プチ断食中にめまいや吐き気などが強く起こった場合は、無理せずにすぐにプチ断食を中止し、必要な時は病院を受診しましょう。

プチ断食をする期間は、必ず3日以内にしましょう。
やってみると意外と簡単で「これで痩せるのならもう少し期間延長しよう」と思う人もいるかもしれません。しかし、プチ断食の本質は胃腸を休ませることにより、身体本来の機能を回復させることにあります。3日以上行っても、それ以上の効果を発揮することは期待できません。むしろ、専門家の詳しい指導もなく独自に長期間の断食を行うことは、命に関わる可能性もあり大変危険な行為です。
プチ断食を効果的かつ安全に行うためには、決められたルールをしっかり守ることが大切なのです。

普段お酒を飲んだり、タバコを吸ったりしている人がプチ断食を行う場合、その期間は禁酒・禁煙することをおすすめします。プチ断食中は胃腸に何も入っていない状態なので、体内に入ってきたものに対して過敏に反応してしまいます。お酒やタバコは、胃を荒らす可能性があります。